もうそろそろ梅雨も明けるのでしょうか。
昨日、ふと気付いたのですが、セミが鳴いているんですね。 恐らくすでに鳴いていたのでしょうが、昨日の朝、家を出たときにまず耳に飛び込んできたのがセミの鳴き声で、もう夏なのか…とひしひしと実感させられました。
さて、昨日は月一回の有志学習会。テーマは「農地転用」について。

主に我々が取り扱うのは、農地法第3条、第4条、第5条と呼ばれるものです。 それぞれを簡単に説明すると 第3条…農地の所有者の移転(売買、贈与、貸与など) 第4条…農地の宅地への転用 第5条…上記の両方を同時に行う といった感じになります。
このところ、耕作をしていない農地、いわゆる遊休農地が増えているそうで、本格的に農業を始めるにも結構なハードルがあったりします。 例えば、京都府下のある自治体ではこんな感じです。
①新規就農を希望する場合、まず、農業に関する実務経験・研修経験があること。 例えば、農業大学校などの公的機関での研修や、一般農家での研修などです。 ②その後、10a程度の農地を借り、最低2年間、農業委員会による営農実績確認を受ける。 ③その実績が認められ、農地取得を希望すると、上記の農地法第3条による申請をするように指導を受け、 ようやく農業を始めることができる。
そして、この第3条による許可をとるのにも、その基準というものが示されていて ①所有または借りている農地のすべてを効率的に耕作することができる。 ②申請者または家族等が農作業に常時従事できる。 ③耕作する耕地の合計が下限面積(自治体による)以上にある。 ④周辺住民の理解を得ることができ、周辺の農地へ支障をきたさない。
などとなっております。
これらに関しては、日本の市町村に置かれる行政委員会、農業委員会の管轄になります。 当然、農業振興が目的ですので、いい加減な気持ちでの就農や農地転用には厳しいんですね。
第4条、第5条に関しては、農地の農地以外への転用なので、また様々な制約が存在します。
まず、農地には農地区分というものがあり、それぞれの自治体が設定しています。 区分と転用への方針は以下の通りです。
●農用地区域内農地…原則不許可。 ただし、農用地利用計画に適合する農業施設の設置は許可。
● 甲 種 農 地 …原則不許可。 ただし、公益性の高い事業の用に供する場合は許可。(第1種農地より厳しい)
●第 1 種 農 地 …原則不許可。 ただし、公益性の高い事業の用に供する場合は許可。
●第 2 種 農 地 …周辺の土地に立地することが困難な場合や、公益性の高い事業の場合は許可。
●第 3 種 農 地 …原則許可。
これらの区分は、立地が良く、大規模な農地ほど許可は取りにくくなります。 特に、農用地区域内農地と甲種農地においては、もちろん例外もありますが、なかなか厳しいでしょう。
また、この区分は道路一つはさんで異なったりします。 実際、ぎりぎり区域内の土地だったために、家の建築場所を変更せざるを得なかった知り合いもいます。 そして、こういった制度を無視して転用を行った場合、農地法違反となり、工事の中止や原状回復命令などが出され、罰則の規定も存在しますので、転用される際には、そのあたりの確認をしっかりと行っておく必要があるでしょうね。
先ほども述べたように、農業委員会の目的は農業振興。 ということで、こんな制度も存在します。 それは、「農地等の相続税・贈与税 納税猶予制度」です。
これは、農地を相続した場合などに、その後も農地として継続利用する場合、納税を猶予してもらえる、というものです。 ただ、あくまで「猶予」なので、場合によっては後から納める必要も出てきます。 基本的には、農地取得後、一定期間継続して耕作を続ければ良いのですが、この期間が20年や終身だったりするので、やはり、本気で農業をやっていく気持ちがないとしんどいでしょうね。
さて、そんな感じで会は進んでいき、後半は、テーマに関係なく最近あった依頼や相談に関する検討などもあったり、ワイワイやっていました。 そうして帰り際、こんなものを発見。

今年初のセミの脱け殻です。 塾のほうも、まさしく今日から夏期講習会へ突入します。 頑張って乗り切らねば。
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